日本テレビで竹中さんと菅さんが議論していました。両者とも小さな政府を目指すと言われています。小さな政府については、世に倦む日日に詳しく書かれているとおりだと思いますが、仮に竹中さんの主張する“小さな政府”論が正しいと仮定して話を聞いてみても、両者の主張の違いが明らかになる議論でした。
菅さんが道路公団を廃止し、国道と同じようにし無料化する、高速道路の維持管理はこれまで高速道路には使われてこなかったガソリン税を使えば可能だ、道路公団の大きな組織を残すより、そちらの方が小さな政府ではないか、という話をされると、竹中さんは、所詮、政府が管理するんでしょ。それではやはりだめだ(大きな政府になってしまう)、と言われました。竹中さんをはじめ今の自民党は政府を本当に信頼していないのです。それは自民党が政権をとってきた時代の政府を信頼していないからです。でも民主党はまだ政府を信じているのだと思います。政権が変わればだと思いますが・・・。郵政民営化の特別委員会の議論でも、そう感じました。たしか民主党の岩国哲人議員が、官はそんなに悪いものじゃない、と出雲市長の時代に出雲市の職員が本当にまじめにやってくれ、土日も働き、サービス面でのランキング(雑誌だったかな?)で民間企業をおさえて1位になったお話をされました。私もトップにたつ人の考え方次第だと思うのです。政府がしっかりとした考え方で進めてくれるのなら、何もかも民営化の方が正しい、ということにはならないと思います。
民主党は旧社会党の人たちを抱えているから大きな政府だろう、と批判するのは、また自民党のお得意のすりかえだと思います。世に倦む日々に書かれていました。「渡辺昇一のハイエク論の本には、ケインズは社会主義だから駄目だと書いていた。新自由主義の世界観においてはケインズですら社会主義の範疇に入るらしい。一読して虫唾が走る感覚を覚えたが、時代は急速にそうした方向へ傾斜しつつあり、ケインズ的な公共経済理論ですら社会主義として貶損され排斥される思想的傾向が確実に全体化しつつあった。」
どこかのテレビで評論家が、国民は本当に官(公務員)が嫌いです。それを利用して、内容は深く説明しないで、 官か民か と選ばせる小泉自民党のやり方は巧みだ と言われていました。それでいいんでしょうか?友達も公務員を目のかたきにしています。とにかく公務員が悪いと言いますが、私は官(公務員)が自分達に甘い法律や制度を作ったり、天下りをしたり、ということを抑止するような内閣や国会(地方では県知事や市長や議会)であれば、安価でまじめに働く官(公務員)になれると思います。そのためには、まず、内閣や国会自身がえりをたださなければなりません。個人的な利益誘導をやめなければならないでしょう。その際、ジャーナリズムはそれに貢献するはずなのに、今や、国会も官(公務員)も(裁判所も?)マスコミもみんなで仲良しで、国民(搾取される側の国民で、勝ち組の人たちは除く)だけが反対側にいるみたいなカンジ。その仲良しグループからぬけようとする人のことは徹底的にいじめる子どもの社会と同じようなことが続けられていて、不気味です。そのへんの不安をトラックバックしてくださった・・な日々さんも言われているのでしょうね。本当に考えれば考えるほど恐くなってしまいます。
政府や国会が本当にこの国全体のことを考えてくれる本来の姿にかえるとしたら、今のように小さな政府の悪口を言う人は共産党か?(共産党が悪いと言いたいのではなく、まるで村はずれにあうからだめよ、というような扱いのことを言いたいのです。)というような社会から、もっとおだやかな社会になると思います。これはなかなか難しいのでしょうね。そのためには国民自身が変わらないといけないのでしょう。まず、選挙の時、候補者が名前を連呼したり、ポスターをはったりという今の選び方ではなく、立会演説会をやっては政策を訴えた上で選ぶという昔の選挙の方法にもどるべきだと思います。公職選挙法は、インターネットの扱いやマニュフェストを配布できるようにする等々、見直しすることばかりだと思います。
「もうひとつの日本は可能だ」を書かれた内橋克人さんの話を聞いてみたい。